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同志社大学

今回の同志社大学の参画姿勢を見るとき、やはりそこに建学の精神、そして新島襄の言葉を想い返さずにはいられない。
「明治維新は、政治も社会も生活習慣もトータルに変革しようとする史上空前の世直しが行われた時代だった。もしそこで教育制度が昔のままならば、旧人間が再生産され、旧体制が復活しかねない。だから学校制度を一新し、新人間をつくることは維新の革命を成功させるために不可欠だった。これが一般的事情である。この一般的事情に新島襄の教育にかけた宿志が加わり、同志社は生まれた。」
「新島襄が予定した「人民」とは、自立的主体性とパブリック意識を有する存在であったが、その根底では、なによりも自由でのびやかな「良心を手腕に運用する」人間を創ろうとしていた。」

(いずれも同志社大学ホームページより抜粋)


今回、同志社大学は、独立行政法人 中小企業基盤整備機構と共に設置したインキュベーション施設D-egg入居企業を紹介する。これは、「レンタルオフィス入居」をゴールとしていれば出て来ない発想である。また、「クリエイション・コア東大阪」を機軸とする今回のプログラムに学内レンタルラボ入居企業をある意味開放するというところに、同志社大学の建学時より連綿と続く「新しさ」を感じる。

大学曼荼羅

同志社大学さんに、インタビューを行いました!
【インタビュー】 平野 稚香子(同志社発インキュベーション施設D-egg・独立行政法人 中小企業基盤整備機構 近畿支部)・藤井 博一(株式会社フジテクノ・代表取締役) /敬称略

インタビュー写真

藤井さん:始めたのは2000年、平成12年です。10年ほど経ちますが、それまでは弟が3年やっていたのですね。プラスチックの射出成形メーカーにおりまして、プラスチックの離型性とかね、まあ下地処理っていうんですけど、樹脂は金型に引っ付くのでそういう処理方法をいろいろ研究して実用化するというようなことをやっていたんです。ところが、N社に技術者として引き抜かれて、会社を閉めようという話になったんですね。そこで僕が引き継いだんです。僕は、ニッタっていう、ニッタ・三星・阪東っていったら日本の三大ベルトメーカーで、そこのニッタベルトに30年ぐらい勤務して、55歳の時に辞めました。
さて引き継いだのはいいのですが、プラスティックなんて全くのド素人なんで、どうしようかと同志社の機械システム工学科に藤井先生、中学からずっと同期で、大学のゼミまで一緒なんでけれど、その藤井先生のところに色々相談していたんですね。
そのうちに学校の仕事を手伝えっていう話になりましてね。学生が引張り試験機とかカリキュラムの中で行う色々な試験のときに必要な試験機とか回転軸を始めは作っていたんですよ。
そんな経験のなかで、プラスチック関係の下地処理とか離型性を色々勉強しました。最初はこれなんですけど(金属片を見せて)、肉眼では見づらいですけれども1ミクロンぐらいの波が付いていて、これで離型性能がすごく良くなるんですよ。

取材チーム:その技術開発も同志社さんと一緒にされたんですか?

藤井さん:いやこれは元々社内にあった技術なんですが、何故性能が良くなるのかってことが分からなかったんです。

取材チーム:その根拠を学内で詳らかにされたわけですね。

インタビュー写真

藤井さん:何ミクロンの波を付けたらどういう材料に適するのが全然分からなかった。行き当たりばったりでやったら離型性が良かったのが最初なんですよ。
そこで、D-eggでこういう表面やったらこういう樹脂に取れる等の研究をやり始めたんです。学生・院生をつけて頂いて実験して解析したり・・・その後、この処理のあとに新しい処理をしたら、もっと取れるということが分かったのですよ。そこで、今度は蒸着技術の行村先生という方に相談させて頂いて・・・こんなことやってる人は日本では少ないんですよ。

取材チーム:どちらかというと隙間の・・・

藤井さん:正に隙間ですよ。で、実験していたら、穴の中に入る事が分かったのです。普通は穴の中に入らないのです。こういう処理は。直径分ぐらいは入るんですが、長い穴になったら絶対入らない。それが三倍ぐらいまで入るようになったんですよ。
それを何に使えるかということをいろいろ調べたら、プラスチックの射出の樹脂が金型へ出てくる小さいゲートノズルがあるんですよ。そこがものすごく摩耗が早くてね、そこに付けたら随分と長持ちすることが分かったのです。

取材チーム:内側に貼り付けるという感じなんですね

藤井さん:そうです。で、ただ、数が少ないんです。ひとつの金型に対して6つぐらい付いている、樹脂を金型へ入れていくための小さなものですけれど、その内側に貼り付けていくわけです。
炉の中でバッチ処理をするので、一回例えば5万円かかったとしたら、10個入れたら5千円でしょう。100個入れたら500円。
つまり、1社だけやったら単価が高くなってしまうわけです。もしも10社で10個ずつ集めたら100個になりますから、1個あたりは安くなるのですが。現状そこがネックになってるんです。
良い技術だと思うのですが、やっぱりこんな時代ですから値段が高いと二の足を踏む企業さんが多くて。またこういう処理は小さなプラスチックの射出メーカーさんがやられていて、大手さんで数を稼ぐというわけにはいかないのですよ。

取材チーム:小さいメーカーさんであってもたくさん集めることが出来れば、各社としての経済的な負担も少なくなるし、製品の付加価値みたいなものも付けられるわけですよね。

 

藤井さん:そうです。だから今回のプログラムでそれを広めようと思いまして。
そこでもうひとつ条件があることをお話ししておかねばなりません。金型に樹脂を流し込んで成形するというのはお話しした通りなんですが、この技術を有効にするためには、その樹脂の中にガラス繊維が入ってないといけません。逆に言うと、普通の樹脂だけであればそのノズルはそんなに摩耗するもんではないんですよ。けれども、ガラス繊維を入れることによってプラスチックが固くなるので、ガラス繊維を入れる製品に関してはものすごく摩耗が激しいんですね。
必ずそういう需要がある筈はなんですよ。そこを見つけ出すのに苦労しています。ガラス繊維樹脂入りの樹脂を売っておられる会社ですね。

取材チーム:具体的なプロダクトといえばどういうものですか?

藤井さん:例えばこんなテレビの内部にある基盤の枠とかね。

取材チーム:どちらかというと精密機械中心になるわけですね。

藤井さん:でもないんですが、なにしろプラスチックでもできあがったら固い製品ですね。コンピューターの中とかにも入っていますが。
プラスチックの射出メーカーは検索出来るのですが、その中でガラス繊維を使っているところっていう絞り込みは難しいようです。

取材チーム:関西圏でそういうメーカーさんが全部集まれば、投資コストがほとんど無く、設備を強くできるという話ですね。おっしゃっていた摩耗が激しい部品を交換するのは結構コストになるわけですよね?

藤井さん:一個7,000円から12,000円ぐらいしますね。それを月に一回交換しているとすると、この処理を施すことによって軽く三倍は持ちますよ。

取材チーム:いまご紹介頂いた技術を予め備えている製品っていうのはまだ市販されていないんですね。

藤井さん:ありません。今ある大手さんからも受注を頂き始めたところなんです。

取材チーム:企業さんが加工前の部品を仕入れて、そして貴社に持ち込んで加工する・・・というプロセスが現時点では一番コストが抑えられるということになるんですね。

藤井さん:そうですね。

取材チーム:ガラス繊維の入ってる樹脂の加工をされているメーカーさん。ここを集められるかということですね。他にございますか?

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藤井さん:他にも色々なコーティングをやってるんですけれど、このCR+Nっていうのも、ひとつの目玉ですね。
通常のコーティング処理は450度ぐらいの熱が必要なのですね。それがCR+Nという処理であれば180度ですから、非常に低い温度で処理できるということになるわけです。
鉄には変態点という性質があって、400度を超えたら組織が変わってしまうんです。ですから、通常のコーティングの場合、鉄そのものを特殊な材料に加工しておかないと処理が出来ないのです。それが180度で出来るとなると、普通の。言ってみれば安物の鉄でもこういうコーティングが出来るんです。

取材チーム:これも御社だけの技術なのですか?

藤井さん:これは2〜3社あると思います。

取材チーム:そんなに世の中に知られている技術ではないわけですね。

藤井さん:そうですね。あんまり知られていないかも知れませんね。コーティングは高い温度でやるものという固定観念があると思います。

取材チーム:ありがとうございます。今回のご案内は基本的にメールで皆さんに配信するのですが、今日お伺いした技術はこのまま不特定多数の企業さんに送ってもいいものなのなのでしょうか。

藤井さん:全然大丈夫ですよ。

取材チーム:ただこういう技術が一番実用的なんですよね。ニーズから考えると一番採り入れやすい技術なんですよね。

藤井さん:だからPRの仕方を工夫したらぱーっと集まりそうな気もするんですけどね。やり方がわからないのです営業の。

取材チーム:その部分で少しでもご協力出来ればと思います。ありがとうございました。


【D-eggについて】

取材チーム:D-egg のことで若干お伺いします。もともと校友会というかOBの方々のネットワークを起点にして連携が出来て来たというようなお話をお伺いしたことがあるのですが、D-eggの入居企業さんっていうのは、OBの方が多いのですか?

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平野さん:そういうことでもなく、全く違う大学で勉強されて、一旦違うところで働いて、スピンアウトして起業されたって方もいますし、あとは同志社大学を卒業された学生さんが立ち上げたベンチャー企業が入ってらっしゃるというのもありますね。

取材チーム:ほとんどが同志社さんとなんらかの関係がおありなわけですね。

平野さん:そうですね、なんらかの関係が、まあもともと入る前から関係のあった企業さんもありますし、入られてからご関係を持つようになられた方もいらっしゃいますね。

取材チーム:やはり最大のメリットは先生方とダイレクトにつながることが出来るという点ですね。

平野さん:そうですね。キャンパス内にありますので、すぐにご相談出来る環境にあるのが一番かと思っています。

取材チーム:同志社さん独自の枠組みとしてアドバイザリーコミッティの存在というのは非常に特色のあるところだと思うのですが、パテント管理等弁理士・弁護士・司法書士等の業務をカバーされてるところがあるんですけど、そちらはこの入居企業さんにも有効に機能しているのですか?

平野さん:うちに入居企業からご相談を受けると、こちらの会議室で相談会を催したりしております。

取材チーム:そこのところで入居企業さんも実質的にはカバーされてるわけですね。ありがとうございました。

今回は極めて個別具体的な、隙間とも言えるある一業種の一工程に絞ったご提案です。
「ガラス樹脂を取り扱うプラスティック射出メーカー」さん、よろしくお願いします!

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